「カッチリとした革と柔らかい革、自分の普段のスタイルにはどちらが合う?」
「ファーストボリードとして、長く愛せる色選びの正解は?」
記事: Hermès ボリード完全ガイド3|素材とカラーの選び方、長持ちさせるケア&アレンジ術

「カッチリとした革と柔らかい革、自分の普段のスタイルにはどちらが合う?」
「ファーストボリードとして、長く愛せる色選びの正解は?」
第1回での歴史とモデルの違い、第2回でのサイズ選びと使い勝手を経て、ご自身の理想のボリードの形が見えてきたのではないでしょうか。
『エルメス ボリード完全ガイド』の締めくくりとなる今回は、ボリードの印象を大きく決定づける「素材」と「カラー」の選び方をはじめ、一生モノとして大切に使うためのお手入れ術、そしてシンプルなボリードだからこそ映える美しいアレンジ術について詳しく解説していきます。
INDEX
同じボリードであっても、選ぶ革の種類によって全体の発色や質感、さらには経年変化(エイジング)の仕方が大きく変わります。ご自身の求める佇まいや使い方に合わせた素材選びが大切です。
特徴
細かな型押しが施された硬質な牛革。非常に軽量で、水や傷にも比較強いのが大きな特徴です。張りがあるため、ボリード特有の美しいドーム型のフォルムを長期間にわたって綺麗にキープしてくれます。(※主に27サイズやボリード1923に多く採用されています)
こんな方におすすめ
「型崩れを防いで長く美しく保ちたい」
「ビジネスやフォーマルな場で凛と持ちたい」「とにかく軽さを追求したい」という方に最適です。
特徴
革の目がやや大きく、ふっくらとした柔らかさを持つ雄成牛のレザー。使い込むほどに手に馴染み、少し角が取れて身体に優しく寄り添うような柔らかい経年変化を楽しめます。(※主に定番の31サイズなどに多く用いられてきた歴史があります)
こんな方におすすめ
「カジュアルなお洋服にも合わせたい」
「エルメスならではのの上質な革の柔らかさを堪能したい」「荷物を少し多めに詰めてもしなやかに収まる方が良い」という方に最適です。
特徴
マットでなめらかな質感を持つ牛革。エプソンほどの硬さはありませんが型崩れしにくく、トリヨンのような適度なしなやかさも併せ持つバランスの取れた素材です。(※主に近年のボリード1923に多く採用されています)
こんな方におすすめ
「硬すぎるのも柔らかすぎるのも迷う」
「ニュアンスカラーや淡い色合いを美しく発色させたい」という方に最適です。
丸みを帯びて前後の革の面積が大きいボリードは、色選びによってバッグ全体の雰囲気がガラリと変化します。
定番カラーの次に狙いたいのが、自分らしい個性を引き立ててくれるカラー。
豊富なバリエーションの中でも、特に絶大な人気を集め、大人の洗練を叶えてくれるのがこちらの2系統です。
淡いニュアンスカラーの中で、現在最も高い人気と需要を誇るのがこの2色。
ボリードの丸みを帯びた愛らしさが最も引き立つ美色であり、ダークトーンになりがちな冬のコートなどに合わせると、圧倒的な気品を演出できます。
エルメスは「青のバリエーション」が非常に豊かで名色が多いことで知られています。
写真のような鮮やかなブルーは、デニムスタイルとも相性が抜群。装飾のないボリードに合わせることで、甘さを抑えたスマートな大人の差し色として見事に機能します。
また、「ブルーニュイ」のような深みのあるネイビーを選べば、黒の代わりとしてフォーマルシーンでも使える知的で洗練された印象に。選ぶトーンによって多彩な表情を楽しめるのが魅力です。
同じ革の色であっても、ファスナーや金具の色によって受ける印象は変わります。
大切なボリードを世代を超えて美しく保つためには、日常のちょっとした気遣いが欠かせません。
外から帰ってきたら、馬毛ブラシなどでステッチの隙間やファスナー周りに溜まったホコリを優しく払いましょう。その後、柔らかいクロスでサッと乾拭きをして手油や汚れを拭き取ることが、革の劣化を防ぐ基本のケアとなります。
▶︎ さらに詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。「本革バッグ基本のお手入れ方法」
ボリードは内側の空間が広く開いているため、中で荷物が乱れて化粧品などで汚れてしまうリスクがあります。インナーバッグを活用することで内側を保護し、整理整頓をスムーズにできます。
また、トリヨンなどの柔らかいレザーの場合は、バッグ内部から支えることで「型崩れ防止」の役割も果たしてくれます。
底鋲(金属脚)が付いているものの、ボリードは構造上、四隅のパイピング(革の縁取り)部分が擦れやすい傾向にあります。置く場所に配慮するとともに、保管時には内部に適切な詰め物を入れて湿気の少ない場所で休ませ、美しいドーム型を保持してあげることが大切です。
▶︎ さらに詳しい情報は、こちらの記事をご覧ください。「バッグの型崩れを防ぐ『詰め物』の正解は?」
洗練されたミニマルなデザインだからこそ、ボリードは小物が美しく映えるキャンバスになります。自分らしいアレンジを加えることで、さらに愛着が深まります。
ハンドルにスカーフを巻くスタイルは、手汗や皮脂によるレザーの汚れ・傷みを防ぐ実用的なメリットがあります。季節や気分に合わせて柄を変えることで、手軽にバッグの雰囲調を変えて楽しめます。
端正で知的な佇まいのボリードに、上質なチャームをひとつ添えることで、大人の余裕を感じさせる遊び心が生まれます。人と被らない特別なスタイルを作るのにぴったりのアレンジです。
ストラップの色をバッグと同色で揃えて統一感を出したり、あえて異なるカラーを合わせて差し色にしたりと、様々な表情を楽しめます。ご自身の体型や好みの持ち方に合わせた長さに調整できるストラップへ付け替えることで、実用性とファッション性を高めることができます。
全3回にわたってお届けしてきた『エルメス ボリード完全ガイド』。
100年以上前に世界初のファスナーバッグとして誕生した歴史から始まり、現代の生活に寄り添う多様なサイズ展開、そして素材やカラーが織りなす豊富な表情。どのモデルを選んだとしても、ボリードの根底に流れているのは「究極のシンプル美」と「確かな実用性」です。
流行に左右されず、時代を超えて寄り添ってくれるボリードは、きっとあなたにとって一生モノのパートナーとなってくれるはずです。
この記事が、ご自身にぴったりの運命のボリードと出会うためのきっかけとなれば幸いです。