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記事: 本革バッグは何年使える?寿命を左右する5つのポイントと長持ちさせるコツ

本革バッグのバーキン、ボリード、ケリーが並んだ写真

本革バッグは何年使える?寿命を左右する5つのポイントと長持ちさせるコツ

「せっかく高い本革バッグを買うなら、何年くらい使えるのか知っておきたい」

「お手入れしてないと、すぐにダメになってしまうのかな…?」

そんな風に悩んでいませんか?決して安くないお買い物だからこそ、長く大切に使いたいですよね。

結論から言うと、本革バッグの寿命は、日頃の付き合い方次第で5〜10年、ケアを頑張れば20年、30年以上と、長生きさせることができます!

この記事では、本革バッグの具体的な寿命の目安と、バッグの寿命を長くも短くもしてしまう「5つのポイント(革の種類、作り、保管、使用頻度、お手入れ)」をわかりやすく解説します。

本革バッグの平均寿命と長く使える理由

バッグの寿命は、使われている素材によって限界の年数が全然違います。まずは、見た目がよく似ている「合皮(ごうひ)」と「本革」の寿命の違いから見ていきましょう。

合皮バッグの寿命は約2〜3年

お手頃で雨にも強い合皮バッグですが、寿命は丁寧に使っても約2〜3年が限界です。

そもそも合皮ってどうなっているの?

合皮は、普通の布の上にポリウレタンなどの樹脂を塗って、本革っぽく見える膜(フィルムのようなコーティング)を貼り付けた人工素材です。

この表面の樹脂は、空気中の水分と反応して、時間が経つと勝手にボロボロと剥がれ落ちる性質を持っています。これを専門用語で「加水分解(かすいぶんかい)」と言います。

そのため、買ってから一度も使わずにクローゼットへ大切にしまっていたとしても、約3年で素材の限界がきてしまうんです。

本革バッグの寿命は最低でも5〜10年

一方で、本物の動物の皮を使っている本革バッグは、特別なケアをしない普段使いでも5〜10年は持ちます!

本革には加水分解が起きないので、ある日突然表面がボロボロ剥がれることはありません。さらに、定期的なお手入れや修理をしてあげれば、20年、30年と、親から子へ受け継げる程長く使うことも十分に可能なんです。

なぜ本革は長持ちするのか?最大の理由は修復力

本革が何年も使えるのは、ただ生地が丈夫だからという理由だけではありません。

一番の理由は、ダメージを回復できる修復力がある素材だからです。

  • 軽い擦り傷なら自分で直せる
    合皮は表面のビニール膜が破れたらそこでおしまいですが、本革は油分を補給してあげれば復活します。爪で引っかいたような軽い擦り傷なら、革専用の保湿クリームを塗り込むだけで、傷が馴染んでほとんど目立たなくなります。
  • 職人に依頼する「染め直し」で蘇る
    長年の日焼けや摩擦で色が薄くなったり、角が色落ちしたりしても大丈夫です。革の専門職人に頼めば、専用の塗料で「染め直し(カラーリペア)」をしてくれます。新品のように綺麗に蘇るので、いつまでも気持ちよく使い続けられるんです。

本革バッグが本当の寿命を迎える2つのサイン

いくら回復できる本革でも、あらゆる状態から復活できるわけではありません。

次の2つの状態になったら、残念ながらバッグの本当の寿命(諦めどき)です。

① ひび割れ(クラック)が起きた時

軽い擦り傷と違って、革がカラカラに乾燥して表面にパックリと深いヒビが入ってしまった状態のことです。

人間の骨折と同じで、一度割れてしまった革の繊維は元には戻りません。こうなってしまうと、いくら良いクリームを塗っても、職人に染め直しを頼んでも、滑らかな革に戻すことはできなくなります。

② 修理できない作りのパーツが壊れた時

バッグ本体の革は綺麗でも、持ち手がちぎれたり、ファスナーの付け根が破れた時が運命の分かれ道です。ここで「一度解体して修理することを想定していない使い捨ての作り」のバッグだと、パーツの故障がバッグ全体の寿命になってしまいます。

なぜ修理ができないと寿命なの?

「持ち手がちぎれたら、新しい持ち手を縫い付ければいいのでは?」と思いますよね。

ですが、生産効率を重視した作りのバッグは、パーツの接続部分に強力な接着剤がべったり使われていたり、解体して再縫製できる仕立てになっていないことが多いんです。

そういうバッグを無理に分解し、もう一度ミシンで同じ場所に針を通そうとしても、元の針穴に合わせることができず、革に新しい穴がポコポコ空いて繊維がボロボロに裂けてしまいます。つまり「綺麗に縫い直せない仕立て=壊れたときが寿命」ということです。

寿命を左右する5つのポイント

本革バッグが何年使えるかは、買ったときの「スペック」と、買ったあとの「付き合い方」という5つのポイントの組み合わせで決まります。

ポイント①:革の種類

革をどうやって加工したか(専門用語で「なめし」と言います)によって、長持ちのしやすさや色落ちの仕方が変わります。

クロムなめし革【傷や水に強く、キレイな色が続く革】

  • どんな革?
    薬品を使って短時間で作る、現代の革製品の主流です。エルメスの「トゴ」や「エプソン」のように、鮮やかなカラーのバーキンやピコタンなどによく使われています。
  • 特徴と寿命
    水濡れや擦り傷に強く、買ったときの美しい発色が長く保ちやすいのがメリットです。ただし、一般的なビジネスバッグ等に使われる「表面に塗料や樹脂コーティングを厚く塗ったタイプ」の革は注意が必要です。長く使ってコーティングが深く割れてしまうと、クリームの油分が浸透せず修復が難しくなるため、そこで寿命を迎えやすくなります。

タンニンなめし革【使えば使うほど「味」が出る革】

  • どんな革?
    植物の渋(しぶ)を使って、時間をかけて作る伝統的な革です。ルイ・ヴィトンのモノグラムバッグの持ち手などに使われている、うすいベージュ色の革(ヌメ革)などがこれに当たります。
  • 特徴と寿命
    最初は雨のシミや傷がつきやすいですが、使い込むと油分が出てきて、アンティークのようなカッコいい飴色に育ちます(エイジングと言います)。しっかり保湿クリームでケアしてあげれば、革自体の寿命は数十年と非常に長いのが特徴です。

ポイント②:作りの違い

バッグは、本体の革が破れるよりもはるかに早く、重い荷物を支える持ち手や、底の角(コーナー)から痛み始めます。さらに、バッグの形を保つ骨格も重要です。

だからこそ、どんな仕立てで作られているかが寿命を大きく左右します。

  • 解体してパーツ交換できる構造か
    使い捨ての作りのバッグは、持ち手を直接ガチガチに縫い付けているため、壊れたときに交換ができません。
    一方で、長く使える構造のバッグは、持ち手の根元に「根革(ねがわ)」という別の革パーツを挟んでいたり、金具(Dカン)で繋がっています。
    これなら傷んだパーツだけをスポットで交換できます。さらにハイブランドなどの良いバッグは、職人が解体したあと「元々あった針の穴に、一寸の狂いもなく正確に糸を通し直す」という神業を前提に仕立てられているため、何度でも修理して使い続けられます。
ケリーとボリードの根革箇所を拡大した

※ケリーとボリードのそれぞれの根革

  • 革の断面(コバ)の処理と塗り直しができるか
    持ち手やバッグのフチの断面にある、ペンキのように塗られた部分を専門用語で「コバ」と言います。この塗料が剥がれたときに、綺麗に塗り直しができる仕立てかも重要です。剥がれたまま放置すると、そこから水分や汚れが革の内部に侵入し、内側から腐敗して寿命が縮んでしまいます。
  • 目に見えない「芯地」や骨格の強さ
    バッグの形を保つために、革と革の間に挟んでいる素材を「芯地(しんじ)」と言います。寿命が短いバッグは、ここが安価な厚紙やスポンジでできているため、数年でボロボロになり型崩れを起こします。一生モノと呼ばれるバッグは、何十年もの使用に耐える高品質な芯地を使い、底面には地面に直接触れないよう底鋲(そこびょう)を付けるなど、バッグ全体の構造から劣化を防ぐ仕立てになっているんです。

ポイント③:保管方法

使っていない期間、どんな環境に、どのように置いているかによって、数年後のバッグの状態が大きく変わります。避けてほしい3つのNGな保管方法は以下の通りです。

  • 湿気の多い場所に置く(カビの原因)
    クローゼットの奥や、買ったときの箱に入れっぱなしにするのはNGです。
    湿気がこもってカビが生えます。カビは革の繊維を食べてボロボロにしてしまう、一番の天敵です。
  • 直射日光やエアコンの風が当たる場所に置く(乾燥の原因)
    窓際で太陽の光が当たりっぱなしだったり、エアコンの風が直撃する場所に置くのも避けましょう。
    人間のお肌と同じでカラカラに乾燥して、色あせや取り返しのつかない「ひび割れ」を引き起こします。
  • 中に何も詰めずに放置する(型崩れの原因)
    どんなに良い環境に置いても、中に何も入れずに放置すると、重力でバッグがクタッと折れ曲がります。
    その深いシワの部分に負担が集中して、そこから革が割れてしまうんです。保管するときは、中に詰め物を入れ立たせておきましょう。

ポイント④:使用頻度

「お気に入りのバッグだから毎日使いたい!」という気持ちは分かりますが、毎日連続で使うのは実は避けた方がいいんです。

バッグを休ませる本当の意味

「2日に1回の使用にすれば、使う日数が半分になるから2倍長持ちする」という単純な計算の話ではありません。

毎日使い続けると、持ち歩いている間に吸い込んだ汗や湿気が抜けきらず、「カビ」や「嫌なニオイ」の原因になります。さらに、荷物の重さで引っ張られた革の繊維が元に戻る時間がないので、「型崩れ」や「持ち手のちぎれ」をすごく早めてしまうんです。

靴と同じように、「1日使ったら、中身をぜんぶ空っぽにして風通しの良い日陰で1日休ませる」というルールを作りましょう。これだけで湿気が飛んで、伸びた革の繊維がキュッと元に戻る時間ができるので、本革本来の寿命(10〜20年)をしっかり全うできます。

ポイント⑤:日頃のお手入れ

「お手入れって面倒くさそう…」と思うかもしれませんが、毎日特別なことをする必要はありません。ちょっとしたケアだけで寿命は一気に伸びます。

  • ブラッシング
    外から帰ってくると、目に見えないホコリがたくさん付いています。
    ホコリは革の油分を吸い取って乾燥させてしまう悪者です。帰宅後に、柔らかい馬毛のブラシなどでサッサッとホコリを払うだけでOKです。
    これだけで寿命がぐんと延びます。
バーキンをブラッシングしている
  • 保湿クリーム
    人間のお肌と同じで、油分がなくなるとカサカサしてひび割れます。
    「少し革がカサついてきたかな?」と思ったタイミング(数ヶ月に1回くらいでOKです)で、革専用のクリームを薄く塗って油分を足してあげてください。

【※要注意】ハイブランドバッグのケアについて

エルメスやシャネルなどの高級バッグに、市販のクリームを自分で塗ったり、町の修理屋さんにお願いするのは少し待ってください。

市販のクリームの成分で革の質感が変わったり、他のお店の修理跡があると、ブランド公式のお店で「正規の修理はお断りします」と言われてしまうことがあるんです。高級バッグは、日常の「柔らかい布での乾拭き」と「ブラッシング」だけにして、乾燥や傷が気になったら、自己流で直さずにブランドの正規店へ相談するのが一番安全で賢い付き合い方です。

一生モノとして長く使うなら修理できるバッグを選ぼう

ここまで、寿命を左右する5つのポイントをお伝えしてきました。

しかし、いくら保管やお手入れを頑張っても、そもそもバッグの作りに「修理して使い続ける構造(メンテナンス性)」がなければ、どこか1箇所が壊れた時点でバッグの寿命は終わってしまいます。

本当に一生モノとして長く愛用できる本革バッグが欲しいなら、ブランド名やデザインだけでなく、「壊れても修理やパーツ交換ができる作りになっているか」を最初からチェックして選ぶことがとても重要なんです!

パーツ交換がしやすい構造の見極め方や、長く使えるバッグの選び方については、こちらの記事でわかりやすく解説しています。近日公開いたしますので、ぜひチェックしてみてください。

長く使える本革バッグの選び方|一生モノになるバッグの条件とは

また、「本革バッグはなぜ一生モノと言われるのか?」という詳しい理由や、後悔しない選び方の全体像をおさらいしたい方は、こちらの記事も一緒に読んでみてくださいね。

本革バッグは本当に一生モノ?長く使える理由と後悔しない選び方を徹底解説

おわりに

本革バッグの寿命は、「革の種類・作り・保管・使用頻度・お手入れ」という5つのポイントで決まります。

ポイントさえ知っておけば、数年でダメになることなく、あなたの人生と一緒にカッコよく育ってくれる最高の相棒になりますよ。

まずは今日の夜、お気に入りのバッグの中身をぜんぶ出して、風通しの良い場所で休ませながら、優しくホコリを払うところから始めてみませんか?

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