突然の訃報。
直前になって「このバッグで大丈夫かな?」「いざ出したらカビが生えていて使えない!」と慌ててしまう方は決して少なくありません。

突然の訃報。
直前になって「このバッグで大丈夫かな?」「いざ出したらカビが生えていて使えない!」と慌ててしまう方は決して少なくありません。
結婚式などの慶事とは異なり、弔事における持ち物は「ご遺族と故人へ寄り添う、静かな哀悼の意」を表現するためのものです。
そこに個性の主張は必要ありません。
そのため、弔事におけるマナーの鉄則は「迷ったら、より控えめでシンプルな方を選ぶ」ことに尽きます。
本記事では、大人の女性として恥をかかないための「NGな基準」から、「急な時の解決策」「現場でのスマートな振る舞い」を解説いたします。
いざという時に備え、ぜひご一読ください。
INDEX
まずは、お手持ちのバッグが弔事の場にふさわしいかどうか、すぐに判断できる早見表をご紹介します。お時間のない方は、こちらの基準だけでも確認してください。
| 項目 | ⭕OK❌NG |
|---|---|
| 素材 | ⭕ ツヤ消し牛革 ⭕ ポリエステルやシルク等の厚手布地 ❌ エナメル・爬虫類 ❌ コットン・麻・ナイロン |
| 金具・装飾 | ⭕ 金具なし ⭕ ブラックメタル・ガンメタ ❌ ゴールド金具 ❌ 目立つロゴ |
| 色・柄 | ⭕ 漆黒・無地 ⭕ 単一素材 ❌ 黒以外の色 ❌ バイカラー |
| サイズ | ⭕ 膝に収まる小〜中サイズのハンドバッグ ❌ 大きなトート ❌ 斜めがけ |
早見表で基本を押さえたところで、ここからは「本当にこれで大丈夫?」と迷いがちな4つのリアルな疑問にお答えします。
A.現代は「ツヤ消しの黒い牛革」なら問題ありません。
かつては「革=殺生を連想させる」としてタブー視される傾向もありましたが、現在では弔事用の定番として広く受け入れられています。ただし、光を反射する「エナメル(光沢)」や、ワニ・ヘビなどの「エキゾチックレザー」は、現在も避けるべき重大なマナー違反となりますのでご注意ください。
A.コットン・麻・キャンバス地は黒色でもNGです。
これらの素材は労働着や日常の道具に由来するものであり、どうしてもカジュアルな生活感が出てしまいます。フォーマルな場における布製とは、ポリエステルやサテン、シルクといった、上品で光沢を抑えた厚手の布地を指します。
A.単一の黒が鉄則です。金具は極力目立たないものを。
慶事を象徴するようなきらびやかなゴールド金具や、ひと目でわかる大きなブランドロゴは、悲しみの場において不要なノイズとなってしまいます。また、異素材を組み合わせたコンビカラー(バイカラーなど)もカジュアルな印象を与えるため避けるのが無難です。
A.どちらもNG(エコバッグ=日常、紙袋=包装材)です。別途対応を。
日常使いのバッグは避け、以下のいずれかの方法でスマートに対応しましょう。
弔事の場にふさわしいバッグが用意できたら、次は現場での振る舞いです。お葬式の場では、バッグの置き場所にも大人の所作が表れます。
置き場所は「ご自身の背中と椅子の背もたれの間」、あるいは「膝の上」が基本です。
お焼香の順番が回ってきた際は、自席にバッグを置き、手ぶらで向かいます。
両手を空けて心を込めて合掌するため、以下のいずれかで対応します。
※そのため「自立するバッグ」が必要
お焼香の間だけとはいえ、バッグを床や台に置く場面は必ず発生します。だからこそ、フォーマルなバッグはペラペラの布や紙袋ではなく、パタッと倒れない自立する仕立てであることが重要です。また、底が汚れにくいよう「底鋲(そこびょう)」がついているものを選ぶと、どのような場でも安心です。
冒頭でもお伝えした通り、迷ったら「より控えめでシンプルな方」を選ぶのが弔事の正解です。
ここまで、急な参列における解決策やマナーをお伝えしてきましたが、実は直前になって一番多い悲劇が「久しぶりに出したフォーマルバッグがカビやホコリまみれになっていた」というトラブルです。
弔事用のバッグは出番が少なくデリケートなアイテムだからこそ、クローゼットの奥で日頃の保管状態が露呈しやすいもの。使用後のブラッシングや、風通しの良い場所での保管など、適切なケアを心がけましょう。
本革バッグのケア方法についてはこちらの記事をお読みください。
突然の悲しみの席でも慌てることなく、静かに故人を偲ぶことに集中するために。マナーを満たした質の良いバッグを一つ備え、正しく保管しておくことが、いざという時の大人の女性の「心のお守り」になります。